※前回の記事の続きです。前回のは↓
私大の大学院の方が学費が安くなることがある!?
今回の記事は学部にフォーカスがあたる話になると思います。
私は6年間私大の薬学部に通っていました。
低学年のとき、講義を受けながらこんなことを考えていました。
「logの計算の復習から入ったりしてるけど、さすが底辺大学。国立のすごい大学はもっとハイレベルなことをバリバリあってるんだろうな~」
「これだけ薬の名前と作用覚えさせられるのは確かに大変だけど、私立でこれなら国立はもっと大量に覚えさせられるんだろうな~」
偏差値が高い学校はやってることもハイレベルな中身である。
おそらく、多くの人がそのような考えを持っていることかと思います。
中学受験とかでありがちですけど、学年を先取りして勉強、みたいに所謂進学校はそうじゃない学校に比べてカリキュラムのレベルが高いというものですね
たしかに、やっていることの差異は偏差値で変わるかもしれません。いわゆる高偏差値の大学はハイレベルな勉強を受けているかもしれません。
しかし、薬学部に関して言えばこれは完全に正しいとは言えません。恐らくですが、いわゆる医療従事者を輩出する学部に関しては上のような固定概念は通用しません。
なぜならば、薬学部(6年生)の場合は全国の6年制薬学部でこれを学びなさいという指針が国によって決められているからです。
これは、「薬学教育モデルコアカリキュラム」と呼ばれています。
6年生薬学部は基本的に卒業する時に薬剤師国家試験を受けます。
国家試験は国が作成します。つまり、卒業時点で国家試験の出題範囲について学んでいないと学校間で差ができてしまいます。
国が認めた薬剤師であるのに、そんな不公平な試験であっていいでしょうか。
そのため、国はモデルコアカリキュラムを設けている(と、私は考えているのですが実際の理由はわかりません)のです。
モデルコアカリキュラム(通称コアカリ)を満たしていないと、国から大学にお叱りを受けることになるようです。なので、基本的にすべての薬学部がコアカリを遵守することとなります。
コアカリについて詳しく知りたい方はhttps://www.mext.go.jp/a_menu/01_d/08091815.htmを参照ください。
このような仕組みがあるために、基本的に薬学部の講義内容は国立でも私立でも大きく見れば同じです。
補助的な講義を大学側が独自に設けている等などの差異はあるかもしれませんが、国家試験を受ける上で必要な知識を得るための講義はどの大学でもちゃんと用意されているということです。
(個人的な見解ですが、講義の難易度は大学というよりもその講義を担当する先生に依存するのではないでしょうか。どこまで噛み砕いて説明するかは個人差があるでしょうし。)
ハイレベルな偏差値の大学は講義の中身もハイレベルである
これは薬学部では適用されません。どの大学でもやる中身は基本的に大きく変わりません。
ここから言えることは、
将来必ず薬剤師になって、免許を使って働きたい!
という人は定員の多い私立をちゃんと視野に入れておくべき
ということです。国公立の6年生薬学部は定員が少ないです。特に国立の場合はそれが顕著です。
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/08/30/1352588_7.pdf
こちらの資料を見ていただくと一目瞭然なのですが、私立の場合は3ケタ受け入れるのに対して、国立で3ケタ受け入れている大学はありません。
なので「絶対に免許を使って働きたい!」という場合は私立の薬学部も視野に入れておかないと万が一受験に失敗してしまったときに薬剤師免許を得るルートが鎖されてしまいます。
私大は学費が高いので躊躇すると思いますが、必ず薬剤師になりたいのであればちゃんとリサーチしておきましょう。
間違っても私のように、
- 大学がどこにあるのかも調べず受験する
- 学費を合格発表の後に初めて知る
なんてことをすると、家族と揉めること間違いありませんので・・・
今思うと、とんでもないですね。学費出してもらうのにそれすら調べないなんて。
そして入学式の日に初めて大学に行って、クソど田舎にあることにショック受けていました。おバカ極まりないです。
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