皆さんこんにちは
今日はGraphPad Prism9を個人で導入した話について記載していきたいと思います。
GraphPad Prism9 とは?
「GraphPad Prism9 ???なにそれ美味し(ry」
と思う方もいると思います。
GraphPad Prismは専門的に統計を行うプログラムではなく、医学統計/生物統計にフォーカスしたプログラムです。医薬学分野で高い頻度で使用される統計が簡単に行えるようになっています。
https://www.mdf-soft.com/products/prism9.html
「統計?名前にグラフって入ってるが?結局何ができるんだ???」
簡単に言いますと、医学・生物系の実験で得られたデータをグラフで表示したり、それぞれのデータの統計学的有意差を検定を行えるソフトというイメージです。
一例をお見せすると、
薬を飲んだ100人と、効果のない偽物の薬(プラセボ)を飲んだ100人で
飲んだあとの計算問題100問の正解数がどれだけ上がるかを調べる
このようなデータをとって、服薬群とプラセボ群の正解数を比較したり検定することができます。
そんなのExcelでもできるじゃん、と思われるかもしれません。たしかに、これくらいの簡単な検定であればExcelで十分です。
GraphPad Prismを用いる上で強力な点は、
- 作成できるグラフの種類が豊富である
- 見やすいグラフが簡単に作れる
- その場で検定を行えるだけでなく、そのまま発表できるクオリティの資料が作成できる。
これがExcelで作成したグラフです。
青が投薬前、オレンジが投薬後にとなっています。
投薬前の人達は0~100問、投薬後の人たちは30~100問正解した、といったようなデータを設定しました。
横軸が被験者の番号となっており、縦軸がその人の正解数を示しています。
はっきり言ってかなり見づらいです。
意図的に投薬後の成績が上がるような数値を設定しているため、この図でも投薬後のほうが成績がいいのがわかるかもしれませんが、実際のデータはこのようにぱっと見で差がありそうかどうかはわかりません。有意差はあるけど、視覚的には判断するのが難しい場合もあるでしょう。
このようなときは、グラフの形状を変えることで見やすく、わかりやすくすることができるでしょう。
しかし、Excelで使えるグラフの数はそこまで多くありません。
一方、今回私が課金してまで手に入れたGraphPad Prism ではどうでしょうか。
先程Excelで使用していたデータをGraphPad Prism にも入力します。
Excelからコピったデータを実際に貼り付けて、グラフができるまでの過程を動画にしました↓
いかがだったでしょうか。
動画に載っているようなExcelには搭載されてにないグラフが簡単作成できます。
プロットの大きさを変更したり、形状変更(●から▲にする等)も簡単に行える優れものです。
「医学統計・生物統計に特化」とあるように、このデータに有意差があるかどうかの様々な検定を行う事もできます。
例として、最も有名な(?)対応のある群におけるt-testを行ってみます。
検定するは「投薬前VS投薬後」です。
上のように、検定方法を選択します。
すると、
このように、画面が切り替わり、検定結果を見ることが出来ます。
これくらいの検定であればExcelでも出来ますが、医学・生物統計に特化していると言うように
Excelでは行えない検定 (Kruskal-Wallis 検定やDunnett 検定など)を行うことが可能です。
また、Excelでは作成するのが面倒な有意差を示すバーやマークもボタンを押すだけで作成できます。
グラフが描写される画面の上部にある↓のボタンを押すと・・・
一発で有意差のマークを表示することが出来ました。
まとめると、Excelでは作成できないようなグラフや、検定を容易に行える優秀なソフトとなっております。
気軽に買える値段ではないが、安く手に入れることもできる
ここからが本題なのですが、このGraphPad Prism とかいうソフト、いいお値段がします。
永続ライセンスと言われる、買い切り版を購入しようとすると↓のような値段となります。
「こちら230,230円となっております」
23万!?
うせやろ???
いえ、本当です
このように、一大学院生が払える値段ではないです。なんなら日本の新卒社員の初任給より高いまであります。
(日本が貧しいのか、GraphPad Prism が高いのか・・・)
ただ一方で、サブスクリプション版であれば圧倒的に安く購入できます。
が、
1年間で4万!?
安くはなったけどそれでも高いわ!
よお貧乏人
このように、サブスク版を購入するとしてもそれなりのお値段がします。
しかし、これは日本語サポートがつくバージョンの値段です。
サブスクリプションの英語版を学割を適用させて購入すると、12283円(2020年12月1日現在)で購入することが出来ます。
米国ドルで購入するため、為替の影響によりある程度値段の変動があると思われますが、確実に言えることは日本語サポート版と比較して圧倒的に安く手に入れることができるということです(もちろん機能面に差はない)。
このやり方なのですが
特に難しいことはなく、GraphPad Prism のサポート宛に自身の学生証の写真を添付してお願いのメールを送るだけです。
本文には「割引コード発行してください!何でもしますから!学生証の写真送りますから!」という旨の文章と学生証の写真を送ればOKです(当たり前だけど英語で)
僕の場合は、米国に留学していた友人に文章を添削してもらって送信しましたが、今はGoogle翻訳等が発達していますので、そちらを用いて文章を作成しても問題ないのではないかと思います。
ちなみに、学生証の写真を添付し忘れたまま「学生証の写真おくるぜ!」という文面で送るというイカれたメールを出してしまったのですが、優しく対応してくれました↓
ちゃんと学生証を添付してメールを送ると、Prism側から割引コードが発行されるので、これを用いて実際に購入に移ります。
購入自体は購入ページの指示に従うだけなので、特段難しいことはありません。
なぜ金をかけてまで導入したのか
データを見やすくまとめるのは研究室内の進捗報告でも必要です。
最終的にはデータを論文に載せることになります。
日々やることが多いであろう院生生活において、作業効率を上げることは恒常の課題であると僕は考えています。
研究室の共用パソコンに一応Prismは導入されているのですが、
PC本体が古い&Prismのバージョンが6と古い
(しかもアプデ期間過ぎてて新しく出来ない)
という二重の足枷をかけられており、一度で起動しない・そもそも重すぎて動かない、などの理由でとても快適に使える環境ではありませんでした。
そのため、ある程度のお金はかかりますが作業環境への投資ということで今回導入しました。
医学・生物系のすべての研究室の学生に有用かどうかは分かりませんが、
- 多くのデータを扱う(使用する動物や細胞の数が多いなど)
- Excelでは作るのが難しいグラフを使用したい
- グラフ作成、データ解析を一つのソフトで完結したい
- (Prismが導入されている)共有パソコンの使用状況に縛られずに作業をしたい
このような人で、このソフトに1万円かける価値があると判断できるのであれば投資するのはアリだと思います。
個人的には、導入して作業効率が跳ね上がった(元の環境が劣悪だっただけかも)ので、良い投資をしたと思っています。
皆さんの元にも「快適な作業環境」が構築されることを願っています。
それではノシ
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